訪問歯科診療
訪問歯科診療について
訪問歯科診療とは、病気や障がいにより歯科医院に通院が難しい方のために、歯科医師がご自宅や入院中の病院、入所されている施設などに訪問して行う診療や口腔ケアのことです。
訪問診療では、通院することが難しい患者様にも歯科医院と同等の治療を提供することが目的です。
ただし、訪問診療では設備や環境に限界があるため、十分な治療ができない場合もあります。
訪問診療の前には、ご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャーさんと十分に相談した上で治療計画を立てていきます。
こんな方におすすめです
- 医療ケアが必要な寝たきりの方
- 足腰が不自由で移動が難しい方
- 知的、精神的な障がいをお持ちの方
訪問歯科診療のメリット・デメリット
メリット
移動する必要がない
要介護の方や身体が不自由な方にとって、通院することは大きな負担です。
訪問歯科を利用することで、移動のストレスを軽減できます。
リラックスして治療を受けられる
ご自宅という慣れた環境で治療を受けられるため、心理的なストレスも少なく、リラックスした状態で治療を受けることができます。
身体的にも精神的にも負担が軽減されるのが大きなメリットです。
ごはんを美味しく食べることができる
口腔内のトラブルが原因で食事が難しくなり、体重減少や体力低下を引き起こすことがあります。
定期的な訪問診療を受けることで、口腔内の健康を維持し、美味しく食事ができるようになります。
それにより、体力維持にもつながります。
誤嚥性肺炎を防ぎ、健康を保ちやすくなる
口腔内に細菌が繁殖していると、それを誤嚥して誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあります。
高齢者の死因の一つである誤嚥性肺炎は、適切な口腔ケアを行うことで予防できます。
訪問歯科診療を利用することで、口腔内の清潔を保ち、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことが可能です。
感染リスクを下げることができる
要介護の方や高齢者の方は、免疫力が低下していることが多く、不特定多数の人が集まる歯科医院に行くことで感染症にかかるリスクが高まります。
訪問診療を利用することで、このような感染リスクを下げることができます。
デメリット
治療内容に制限が出る場合がある
訪問診療では、基本的には歯科医院で受ける治療内容と同等の治療が可能です。
しかし、照明や患者様の姿勢などに制限があるため、一部の治療は歯科医院で受けたほうが良い場合もあります。
すぐに対処が難しい場合もある
訪問歯科診療では、必要な器具や材料を持参しますが、歯科医院のように全ての設備が揃っているわけではありません。
そのため、患者様の状態によっては、すぐに対処できないことがあり、後日再訪が必要になる場合もあります。
治療費が外来よりも高めになる
訪問歯科診療は基本的に保険適用ですが、外来での治療に比べて料金が高くなることがあります。
特に、歯科医院からの移動距離が16km以上となる場合には、保険適用外の自費料金が発生することもありますので、事前に確認が必要です。